ヨハネによるロゴス(6)洗礼者ヨハネ2


洗礼者ヨハネの行いについて語られます。

Willmann Landscape with St. John.jpg
By Michael Willmannwww.pinakoteka.zascianek.pl, Public Domain, Link

οὗτος ἦλθεν εἰς μαρτυρίαν, ἵνα μαρτυρήσῃ περὶ τοῦ φωτός, ἵνα πάντες πιστεύσωσιν δι’ αὐτοῦ. (Io 1:7)

hic venit in testimonium, ut testimonium perhiberet de lumine, ut omnes crederent per illum

彼は証言を行うために来た、それが光についての証言となるように、彼によりすべての人が信じることとなるように。

主語は οὗτος「彼」で洗礼者ヨハネを指します。動詞はἔρχομαι「来る」のアオリスト ἦλθενで前置詞εἰς + 対格を伴っています。μαρτυρίανはμαρτυρία「証言をする行い」の意味で εἰςは通常「〜の中へ」と場所を表しますが、ここでは「(行いをする)ために」と訳します。εἰς μαρτυρίανは「証言を行うために」となります。ラテン語文 hic venit in testimoniumも同じ構成になっています。

ἵναは接続詞で「〜となるために」の意味で使われます。この従属節の中では動詞は接続法になります。ラテン語のutも同様に接続法を伴います。この節では二回登場します。

μαρτυρήσῃはμαρτυρέω「証言をする」のアオリスト接続法です。アオリストは直説法では過去の出来事を指しますが、接続法では時制の概念はなく一度だけの動作を表現します。ラテン語ではprohibeo「保つ」の未完了perhiberetと目的語testimonium「証言」の二語で「証言をする」という表現を行っています。ギリシア語のπερί + 属格とラテン語のde + 奪格はともに主題を表す前置詞で「〜について」と訳します。属格φωτός、奪格lumineはともに「光」の意味です。

二つ目の従属節では主語が男性複数の πάντες「すべての人」で動詞はπιστεύω「信じる」「信頼する」のアオリスト接続法πιστεύσωσινです。διά + 属格で「〜を通して」の意味になります。属格 αὐτοῦは男性または中性を指しますが洗礼者ヨハネと解釈して良いでしょう。ラテン語のillumは男性のみであるのでこのような疑問は起こりません。δι’ αὐτοῦとper illumはともに「彼を通して」と訳せます。

ここまでで言葉の中に生命があり、その生命は人々の光である (Io 1:3)と言われていました。ここでの光はこれと同じものと考えられます。

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