ヘロデ王は賢者たちを呼び出します。
By I, Sailko, CC 表示-継承 3.0, Link
Τότε Ἡρῴδης λάθρᾳ καλέσας τοὺς μάγους ἠκρίβωσεν παρ’ αὐτῶν τὸν χρόνον τοῦ φαινομένου ἀστέρος, (Mt 2:7)
Tunc Herodes, clam vocatis Magis, diligenter didicit ab eis tempus stellae, quae apparuit eis,
それからヘロデは密かに賢者たちを呼び、彼らの側で星の現れた時間を問いただした、
τότεは副詞で「その時に」「それから」を意味します。ラテン語ではtuncがこれに相当します。主語は Ἡρῴδης「ヘロデ」で、これに分詞が掛かっています。καλέσαςはκαλέω「呼ぶ」「召喚する」のアオリスト分詞でその対象は対格複数 τοὺς μάγους「マギ」「賢者たち」です。副詞λάθρᾳはλάθρῃとも書かれ「密かに」「隠れて」の意味です。
動詞はἀκριβόω「正確にする」のアオリストἠκρίβωσενです。その対象は対格 τὸν χρόνον「時間」でἀστήρ「星」の属格ἀστέροςが性格づけています。さらにこのἀστέροςにφαίνω「現れる」「光をもたらす」の現在分詞属格男性単数のφαινομένουが掛かります。παρ’ αὐτῶνは「彼らの側で」つまり「賢者たちの側で」を意味します。よって παρ’ αὐτῶν τὸν χρόνον τοῦ φαινομένου ἀστέροςは「彼らの側で現れている星の時間」と直訳できますが、「星の時間」とは「(彼らの側で現れている)星の(現れた瞬間の)時間」ということになりますので「彼らの側で星の現れた時間」と言い換えます。τοῦ φαινομένου ἀστέροςを属格の分詞構文、あるいは絶対属格として解釈できるかもしれません。
この賢者たちの一件のあとにヘロデ王による幼児虐殺が起こるのですがこの時の「二歳以下」の根拠はここで聞き出されたものと推測できます。