ドイツ語文法のまとめ(3)

人称代名詞の対格と与格

主格が主語(や主語の補語)などに使われるのに対して対格は直接目的語「〜を」、与格は間接目的語「〜に」「〜へ」で使われる。

主格 与格 対格
一人称単数 ich mir mich
二人称単数 du dir dich
三人称単数男性 er ihm ihn
三人称単数中性 es ihm es
三人称単数女性 sie ihr sie
一人称複数 wir uns uns
二人称複数 ihr euch euch
三人称複数 sie ihnen sie
敬称 Sie Ihnen Sie

Ich muss ihn anrufen.
私は彼に電話しなくてはなりません。(=彼を電話で呼ぶ)

Er will uns einladen.
彼は私達を招待したいと思っています。

Geben Sie mir die Telefonnummer.
私に電話番号をください。

Wir schicken Ihnen den Scheck.
私達はあなたに小切手を送ります。

定冠詞の対格と与格

格と性が違う者同士(主格男性と与格女性は両方derなど)で同じ変化があるので注意が必要。

主格 与格 対格
男性 der dem den
中性 das dem das
女性 die der die
複数 die den die

所有形容詞と不定冠詞の対格と与格

所有形容詞meinの変化一覧。不定冠詞einも複数は存在しないがその他は同様。

主格 与格 対格
男性 mein meinem meinen
中性 mein meinem mein
女性 meine meiner meine
複数 meine meinen meine

三人称単数の所有形容詞

男性と中性の場合にはsein、女性の場合にはihrを使う。

Sein Hund ist groß.
彼の犬は大きい。

Ihr Haus ist schön.
彼女の家はきれいだ。

与格の変化

与格複数では名詞の語尾に-nまたは-enが付く。

単数 複数
男性 dem Rentner den Rentnern
中性 dem Haus den Häusern
女性 der Wohnung den Wohnungen

再帰動詞

他動詞の直接目的語が動作主自身である特別な形で意味は変わっている場合もある。以下はsich freuen「喜ぶ」の変化。

ich freue mich
du freust dich
er/es/sie freut sich
wir freuen uns
ihr freut euch
sie/Sie freuen sich

ich freue mich「私は喜ぶ」は逐語訳をすると「私は私を喜ばせる」となる。

前置詞付きの動詞や形容詞

特定の表現をする動詞や形容詞は補語として前置詞を取る。

Sie interessiert sich für Musik.
彼女は音楽に興味を持っている。

Wir sind stolz auf dich.
私達は君を誇りに思っている。

対格支配の前置詞

für, ohne, umなど

Das ist eine Eintrittskarte für dich.
これは君のための入場券です。

Wir kommen ohne unseren Hund.
私達は犬を連れずに来ます。

Es gibt einen Garten um das Haus.
その家の周りには庭がある。

与格支配の前置詞

bei, mit, von, zuなど

Kommst du mit deiner Freundin?
君は彼女と一緒にくるのかい?

Dort ist das Haus von Brigitte und ihrem Freund.
そこにブリギッテと彼女の男友達の家があります。

場所の表現

誰かの居場所を前置詞で表す場合、方向を表す動詞にはzu、場所を表す動詞にはbeiを使う。

Wir bleiben bei dir.
私達は君の家で待ちます。

Kommst du zu mir?
君は僕のところへ来るかい?

街や国の名前の場合、方向はnach、場所はinを使う。

Fahren Sie nach Berlin?
ベルリンへ行くのですか?

Wohnen Sie in Frankfurt?
フランクフルトに住んでいるのですか?

与格を補語に取る動詞

人に対して何かをする動作を表現する場合、人に与格を使うことがある。jdm. はjemandem「誰かに対して」の略。

  • jdm. helfen (i) 誰かを助ける
  • jdm. glauben 誰かを信じる
  • jdm. folgen 誰かを追跡する
  • jdm. danken 誰かに感謝する

男性弱変化名詞

弱変化と呼ばれる名詞のうち男性名詞は主格単数を除く全ての変化で後ろに-enまたは-nを語尾として持つ。人を指す名詞が多い。

人、人類 男の人
主格単数 der Mensch der Herr
対格単数 den Menschen den Herrn
与格単数 dem Menschen dem Herrn
主格/対格複数 die Menschen die Herren
与格複数 den Menschen den Herren

Herrは単数のときは-n、複数のときには-enを取っているので注意。辞書の見出しには通常属格単数と複数の変化が書かれている。

der Herr, n, en

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