ドイツ語の発音はほぼ規則的なので不規則な発音の多い英語よりは覚えるのは楽だと思われる。また書き言葉と話し言葉の違いも少ない。
発音については以下を注意する。
すべての文字は母音であれ子音であれ発音される。
フランス語では語尾の子音はほとんど発音されないがドイツ語では語尾の子音も発音される。ここではカタカナでなるべく近い音になるように発音を表記する。
母音
aeiouはアエイオウに相当する。長母音と短母音がある。またウムラウトという横に並んだ2つの点を上に付けた母音がある。
ウムラウト
ウムラウト付きの母音は三つだけ。
- ä 長いエー
- ö エに近いオ、フランス語のœに似ている音
- ü ユに近いウ
記号付きの文字の打てないコンピュータの環境ではそれぞれae, oe, ueと書かれることもある。
長母音と短母音
長母音は短母音の二倍の長さを持つ。
- a 長短両方あり
- e 長短両方あり、長母音のeはäと同じ音
- i 長短両方あり、ieは長母音のiと同じ
- o 長短両方あり、長いoは短いoより口を閉じ気味にする
二重母音
二重母音は以下のものがある。長母音と同じように短母音の二倍の長さになる。
- ei, ai アイに近い発音
- au アウ
- äu, eu オイ
このうち三番目だけはそのまま読めないので注意が必要。
子音
hについて
通常はハ行の音にするが母音の後ろに付くときには日本語のーのような伸ばし棒の役割になる。例えばwohnenはヴォーネンと読む。
sとssとßについて
語頭や母音に挟まれたsはザ行の発音。語末のsは母音を伴わないスの音。
ssは短母音の後ろに現れサ行の音になる。ßは長母音の後に現れこちらもサ行の音になる。両方共語末の場合は母音を伴わないスの音。
zとtzについて
ザ行ではなくツァ行の音になるので注意が必要。Zone「地帯」はツォーネ、Katze「猫」はカツェ。
vとwについて
混乱しやすいがvはファ行、wはヴァ行。
spとstについて
これらが語頭にある場合、sは母音を伴わないシュの音になる。Stein「石」はシュタインと発音する。
それ以外の場合はsは母音を伴わないスになる。
ngについて
英語の-ingと同様に最後のグの音は強調しないようにする。
quについて
母音を伴わないクの後でヴァ行の音にする。Quelle「泉」はクヴェレ。
bとdとgについて
通常はそれぞれバ行、ダ行、ガ行だが、語末のときにはそれぞれ母音を伴わないプ、トゥ、クになる。そのとき最後に息を強く出すようにする。Tag「日」はターク。
pとtとkについて
通常はパ行、タ行、カ行だが語頭のときはそれぞれ母音を伴わないプ、トゥ、クに続けてハ行で発音する。上のTagも正確には母音の伴わないトゥのあとに続けてハークというと近い音になる。
chについて
直前の母音によって二種類の発音に別れる。
aやoやu、auの後に続くchをAch-Lautと呼ぶ。母音を伴わないハの音なのだが日本語のハよりもっと喉の奥を閉じるようする。作曲家のBachのchもこの仲間。
i、e、ä、ö、ü、äu、euと子音の後のchはIch-Lautと呼ばれる。母音の伴わないヒの音だがこれも喉の方で出す。語末の-igのgもこれと同じ音になる。
アクセント
単語を構成する語幹の最初にアクセントが来る。このため語頭が強く発音されることが多い。
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