迷い道

こんにちは、サクラです。

もうかなり前のことになりますが、自分が女性化したいと気付く前にはいろいろな試行錯誤がありました。自分がゲイ、つまりホモセクシャルなのではと考えたこともありました。

男性であったときの私は異性である女性を愛するヘテロセクシャル「異性愛者」を自認していました。ヘテロはギリシア語のἕτερος「他の」という形容詞に、ホモはὁμός「同じの」に由来します。

20代の半ば勉強と旅行を兼ねて2年ほどイギリスで暮らしたことがあります。ヘテロセクシャルといいながらも私はアイルランドの男性としばらく付き合ったこともあります。完全な成り行きでしたが、彼に聞くと日本人男性はイギリス人の女性くらいの背格好で肌がきれいだというのです。私は身長が168cmなので女性としては日本では大きめですがイギリスでは標準的です。BBCの記事ではイギリス女性の平均身長は164cmとありました。

彼はバイセクシャルだったので、彼の前のガールフレンドやその前のボーイフレンドにも会いました。彼と付き合って初めて男の人に愛されるという経験をしました。そしてそれは自分にとってあまりに自然であまりに心地よかったので自分がヘテロであるという確信が揺らぎました。ただこの時にはもう一つの確信、つまり自分が男性であることについては疑っていなかったので、私は自分がゲイ、つまりホモセクシャルなのかもしれないと考えました。

日本に戻ってからもこの考えに私は取り憑かれて続けていました。発展場といわれるような男性だけの集いの場にいってみましたが、なんだかしっくり来ませんでした。日本のゲイの界隈で出会うマッチョで角刈りでヒゲのあるようなスタイルは自分には合わないことに気づきました。なんとなく日常に飲み込まれているうちに、もとのヘテロセクシャルの男性に引き戻されていきました。

しばらく、いやかなり迷走したあと気づいたのは女性を自認して男性を愛するヘテロセクシャルにもかかわらず体が男性という自分の置かれた状況でした。そしてそのときにはかつて祝福されていたはずの結婚生活は破綻して、幼い二人の娘が私のもとにいました。

二人の娘たちのために、私は迷い道から抜け出して自分の進むべき道に復帰する必要があると感じました。

 

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