SRSで失ったもの

こんにちは、サクラです。忘れそうなことは早めに書いておきたいと思います。

私が受けた性別適合手術はMtFの手術としては一番軽いものでした。手術の軽重を決める一番大きな違いは膣を作るか作らないかです。体の中に穴を開けてそれを保持するのですから負担が大きいわけです。手術後の回復もずいぶん違うので造膣をするのは覚悟と準備が必要だと思います。

私は造膣はしませんでした。今の私には恋人はいませんし、もし相手がいても事情を話して後ろの穴を使えばいいと思っています。今までもそうしていましたし。

また、そもそも私が女性の体になりたいと思ったのは温泉にのんびり入ったりプールに行ったりという性生活以外のことなので、造膣の優先度は低かったのです。

私が受けた手術の内容は以下の通りです。

  • 陰茎切除
  • 睾丸切除
  • 外陰部形成術

手術前にもらった説明書を抜書きします。説明書は造膣も含んだ記述になっています。

陰茎・睾丸を切除し、男性型外性器を小陰唇・陰核・膣などからなる女性型に近似する外性器を形成します。陰茎、睾丸を切除した後、尿道・前立腺と直腸の間に膣となるべきスペースを作成し、余剰の陰茎皮膚で小陰唇を形成します。陰核は亀頭の一部を使用して形成します。生殖能力(子供を作る能力)は完全に失われます。

最初に説明を受けたとき痛そうだなーと思いました。まあ実際に痛かったのですが、膣なしのためか思ったより楽に感じました。昔バイクでころんだときに肘のあたりをひどく擦って血だらけになったことがありますが、ちょうどそれと同じくらいだと思います。

ところで、脳の活動は高いレベルと低いレベルのものがありますが、普段意識しないような低いレベルで、脳は体の感覚を定期的にスキャンしているようです。術後に全身麻酔からさめてしばらくすると、脳が虚しい作業を繰り返していることに気づきました。脳が股間にあるべきもの、陰茎や睾丸のスキャンに失敗し処理を中断します。しばらくして再度スキャンするのですが失敗する、というのを何度も繰り返しているのです。

私は人の体ってよく出来てるなーと思いました。「脳くん、頑張っているみたいだけど、無駄な努力だよ。君の探しているものは永遠に失われてしまったよ」と私は自分の脳に言いました。でも彼(彼女?)は実直に決められた仕事を繰り返します。

2日程経って、失敗し続けていたこのスキャンは中止されました。とりあえず脳は諦めたようでした。一週間たった今、時々スキャンが走ることがありますが当然ながら失敗します。もっと時間が経つと、まったくやらなくなってしまうのでしょうか?

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