性別変更その後

こんにちは、サクラです。

前回性別変更の審判が出た話をしましたが、その後の話をします。

戸籍の変更に2週間ほどかかると聞いていましたが、実際に2週間ほど経っても家庭裁判所から連絡がなかったので、電話で問い合わせました。担当の方によると、ちょうど手続が終わったところだとのことでした。このお知らせを以て家庭裁判所とのやり取りは終わりになります。

家庭裁判所の申立を通して、少し進みが遅いのではないかと思ったら、連絡することが必要だと思いました。連絡によってもしかしたら、止まっていたものが進んだのではないかとおもうフシもありました。

この後以下のような考慮が必要になるでしょう。漏れがあるかもしれないのですが気づくところを挙げておきます。私は名前の変更を前に済ましていますが、名の変更も同時にする場合にはすることの範囲がもっと広がると思われます。

住民票

戸籍が変更されると戸籍のある役所から住民票のある役所に連絡が行き、その記載内容が変更されるとのことでした。ここについては私は待つだけになります。

健康保険証

私は国民健康保険に加入しているためか、住民票の変更に合わせて役所のほうから新しい健康保険証を送ってくれました。性別だけ変わっていました。社会保険だともしかしたらなにか手続が必要かもしれません。

運転免許証

変更された住民票を持って近くの警察署で届け出をしました。前に運転中に検問で止められ、免許証を調べられ「あなた男性ですね」といわれたことがありました。記載はされていないけれど、当然ながら性別のデータは持っているのです。

パスポート

私はちょうど有効期限が切れていたのでどちらにしても作り直しとなりました。通常の発行と同じく戸籍謄本が必要となります。

有効期限内のパスポートがある場合については問い合わせてみないとわかりませんが変更がわかる戸籍謄本は必要でしょう。

生命保険

保険会社によって変更の方法やその面倒さが違うようです。自分が被保険者の場合で届けていないままだと保険金を受け取るときにトラブルになる可能性があるため、早めに届け出たほうが良いと思われます。また、性別の変更によって保険料率の変わる保険もあるようです。

銀行など金融機関

金融機関によって異なるでしょうが、私の使っている銀行では個人口座の性別変更には戸籍謄本が必要と言われました。原本を持ってコピーをとって返却するとのことでした。最近は窓口の予約が必要であったりするので、複数金融機関の口座をもっていると面倒です。

証券会社

私の使っている証券会社では、住民票のコピーを添付すればOKと言われました。

クレジットカード

最近作ったカードは最初から女性で作っていたので、特に変更はありませんでした。

不動産・法人登記

法人登記には性別の項目はありませんでした。以前名前を変更したときには登記内容の変更を行った記憶があります。不動産も同様と思われます。

健康診断

私の住んでいる自治体では毎年健康診断とがん検診をしてくれます。今年の4月に送られてきた検診票は男性で作成されているので、役所に問い合わせて女性として作り直してもらいました。

それに先立ち電話で「女性になったので乳がん検診は受けられますか?」と聞いたところ、折返しで「厚生労働省の基準で生物学的女性でないと受けられません」と言われました。子宮頸がん検診についてであればその回答は納得いくのですが、乳がんは男性でもかかる病気です。

「役所では住民票で性別を管理していますが、生物学的性も管理しているのですか?」「戸籍上男性となっている生物学的女性にも乳がん検診の案内をだしているのですか?」「私が生物学的男性であるのであれば今後女性だとしても前立腺がん検診は受けられますか?」などと聞いてみましたが、調べないとわからないと言われたのでここで会話はやめにしました。

自治体の健康増進の係で住民全員の生物学的性を把握しているとは思えませんし、折返しの電話でないと答えられないというのは今までこのようなケースが業務フローになるほど多くなかったことを示しています。来年度になったらここでの会話と関係なく、普通に乳がんと子宮がんの検診票を送ってくる可能性もあります。

今年度のはじめには、私は男性だったのですから、無理をいっても仕方がありません。来年度にどうなるか待つことにします。

まとめ

SRSのときには体に変更があったため自分にとってのインパクトは大きかった一方で、戸籍上の性別の記載変更はこれより随分小さいのではないかと思っていました。しかし実際に健康保険証に女と記載されているのをみるとなんとも言えない感慨に包まれます。

この感慨を言葉にするなら「もうこのことは気にしなくて良いんだ」となるでしょう。今まで多くの状況で男と記載されている身分証と自分の見かけと世の中との妥協点を常に探しながら暮らしてきたのだとつくづく思い返されるのです。

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