最後の健康診断

こんにちは、サクラです。

今日は戸籍の性別と健康診断の話をします。

以前からお話している通り、私の戸籍上の性は男性のままです。通常SRSを終えた方の多くは早々に性別変更の手配をするのですが、私はある条件のために変更できないままでいるのです。「性同⼀性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」で規定されている以下の条件を見てください。

  1. 年齢要件:20歳以上であること
  2. ⾮婚要件:婚姻をしていないこと
  3. ⼦なし要件:未成年の子どもがいないこと
  4. 不妊要件:生殖機能を永続的に欠く状態にあること
  5. 外観要件:移行する性別の性器に近似する外観を備えていること

年齢要件は当然満たしていますし、離婚をした私は非婚要件も満たしています。さらに3年前にSRSを行った際に不妊要件外観要件も満たすことができました。しかし私には未成年の娘がいるため子なし要件だけ満たすことができないのです。

娘たちが幼く母親を本当に必要としているときに母親にはなれず、彼女たちが成人してあまり必要となくなったときにようやく母親になれるというのはなんとも皮肉な要件があったものです。「母たる男性や父たる女性が生まれてしまうことは、子どもの福祉や法秩序上、それが好ましくない」という趣旨なのでしょうが、私からすればただの「余計なお世話」としか思えません。

この要件についてですが、18歳を成人とする民法改正によって2022年4月から今18歳の下の娘が成人となり、これ以降私は最後の要件を満たし手続きを経て戸籍が変更できることになります。

さて、私の住んでいるところでは自治体の補助で健康診断やがん検診が受けられるようになっています。もう半世紀も生きてきた私はこのような機会があれば利用することにしています。早死は良いとしても、不摂生な長生きは避けたいと思っているからです。

検診の予約を取ろうと電話をしたら、担当者は去年も検診を受けた私のことを覚えていてくれました。以前、書類上の性別は男性だけれど女性更衣室に案内したことがあったからでした。

がん検診の予約をしているとき前立腺がんの検診は受けるのかという話になりました。担当の方は私に前立腺が残されているかわからなかったようです。MtFのSRSでは、外性器の見かけが変わりますが、私の知る限り一般に前立腺は除去されないようです。このためMtFでSRSを終えても前立腺がんのリスクは引き続き残ります。

来年性別を女性に変更してしまうと、それ以降は前立腺がんの検診に対しては自費で行う必要があるため、今回が補助の受けられる前立腺がん検診の最後となるわけです。当然ながら検診はお願いしておきました。

前立腺がんについては、その抑制方法として知られる睾丸切除と女性ホルモン補充という対処を(別な目的ではあるものの)私は実践しているため、そのリスクはあまり大きいとは思えません。とはいえ今後もしかしたら自費で検査をしておく余地は残しておいたほうが良いかもしれません。

女性に変更後は、乳がん検診と子宮頸がん検診に補助がでることになるので、後者はお断りするにしても前者についてはありがたいと思っています。ここのところ胸が少し大きくなったので、乳がん検診はしておいたほうが良いと思っています。

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