カードの手札

こんにちは、サクラです。このブログを書くきっかけとなった心境の変化について少しお話したいと思います。

SRS、性別適合手術を行うと患者は一般に精神的、社会的な生活で改善が見られると言われています。以下は英語のwikiからの引用です。

After sex reassignment surgery, transsexuals (people who underwent cross-sex hormone therapy and sex reassignment surgery) tend to be less gender dysphoric. They also normally function well both socially and psychologically. Anxiety, depression and hostility levels were lower after sex reassignment surgery.

ざっくり訳します。

SRS施術後、トランスセクシュアル(ホルモン療法とSRSを受けた人)は、性的不快感が少なくなる傾向があります。 彼らはまた、通常、社会的にも心理的にもうまく機能します。 SRS後の不安、うつ病、敵意のレベルは低いことがわかりました。

私が体験したSRS前後の心境の違いはダウトというトランプゲームで例えることができます。このゲームでは順番に数字のカードを伏せて場に出していきます。仮にその数字が自分の手札になくても、あたかも持っているようなふりをして嘘をつかなければなりません。他のプレーヤーがそのカードに疑いを持った場合、「ダウト(doubt = 疑問に思う)」を宣言してカードの真偽を確認することができます。もし数字が正しければダウトの宣言をした人が無実の人を疑ったことに対するペナルティを受けますが、もしそうでなかったらカードを出した人が嘘を語ったことに対するペナルティを受けます。

SRSをする前の私は男性の外性器を持ちつつ女性として暮していました。いわば嘘のカードを場に出したダウトのプレーヤーのような心境です。性的少数者への理解が進んだこともあり、日常生活でよっぽどのことがなければ他人の性別に対して「ダウト」の宣言をしてくる人はいないでしょう。それでもどこかで嘘を語る意識を持ち続けることは精神衛生上あまりよろしくありません。なのでウィッグを着用したり、化粧をしたり、女性らしい服装をしたりと必要以上に女性的に振る舞おうとしてダウトされるリスクを減らそうとするのは当然の反応でしょう。(それが裏目に出て不自然さを醸し出すこともありえます。)

ところがSRSを行ったあとでは状況が180度変わります。外性器は女性の見た目となりますのでカードは嘘でなくなります。自分の出すカードが要求された数字の通りであれば何も心配はいりません。「ダウトしたいんだったらしてみなさいよ」と強気に出れるのです。最悪の場合、裸にされてもそれでカードが正しいことが証明されるのなら、それはそれで構わない(もちろん避けたいですが)とさえ思います。

SRSによるこうした内面の変化が精神的、社会的生活の質に与える影響は計り知れないと私は思います。

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