こんにちは、サクラです。
ホルモン療法は対応している医者を見つければすぐ始めることができますし、医者なしでもホルモン剤は個人輸入などで簡単に手に入ります。ホルモン療法は内分泌系に作用し精神的にも身体的にも性的不快感を低減させるのに有効だと思います。
しかし肉体的にも女性的に変化すると、もともとの男性での生活もままならなくなります。例えば胸が出てきたりすると銭湯の男湯にはなかなか行きづらいものです。かといって女湯に入るのもできません。外性器はかわることが無いからです。
性別適合手術(SRS)は外性器を反対性の形に形成することで、これにより反対性での生活を可能にすることができます。SRSを行うには性同一性障害の診断を二人の精神科医によって受ける必要があります。とはいえ一人目の精神科医でしっかり診断されているのであれば二人目はセカンドオピニオンのような軽い診断になると思います。
精神科にも専門があるので性同一性障害の診断をおこなっているか予め調べておく必要があります。私は医療関係の知り合いを介して探しました。最初の先生は肌が合わず、別な精神科に行くことにしました。このあたりも計算に入れておいたほうが良いかもしれません。
私は2007年12月に通いだしてから7ヶ月後の2008年6月に診断を受けることができました。
診断のために数回のカウンセリングと生物学的に男性であるかの確認が行われます。男性であるかは染色体検査や泌尿器科での観察によって判断されます。また発症にいたるまでの自分史をまとめる必要があります。
参考のために診断書を転記しておきます。
病名:性同一性障害
上症にて平成19年12月○日当院を初診、本日まで7回の精神療法を行った。その結果、上症以外の精神科的疾患は認めず、知的・情緒的に、また自我機能レベルにも問題ないと思われる。
上病の発症は思春期頃と想定され、その後の女性としての性自認の揺るぎ無さから見て、中核群の性転換症と診断できる。身体的諸検査・染色体検査に以上は認められず、DSM-IV-TRの診断基準を満たしている。
平成19年4月からホルモン療法の治療を開始しており、家族にもカミングアウトし理解が得られ、現在の治療は日本精神神経学会のガイドラインに沿って行われている。
このような経過から、本人の性自認は女性として固定し、今後共変化することはないと思われる。この自然発生的な転生願望は恣意的なものでもなく、また経済的期待によるものでもない。
上記のとおり診断いたします。
ここで重要なのは性自認が一致しない以外の日常的、精神的問題を抱えていないことです。たとえば他の重大な精神疾患があるとか、家族や周囲との関係に問題があるとか、そもそも性自認が揺らいでいるなどが認められると、そちらの解決が優先されて診断ができない場合があります。とはいえ最新の状況はわからないのでまずは精神科に相談するのが良いと思います。
当時の私はSRSを視野に考えていたこともありますが、ホルモン療法を行っている理由付けとしても診断が必要だと思っていました。実際のところ性的少数者としてトラブルがあったときに「こういう診断されたからこういう治療をしています。好きでやってるのではありません。」と周囲に主張できるようにしておきたかったのです。
幸いなことに実際にそのようなトラブルはありませんでした。もしかしたら周囲の人たちも私に知らないところで気を遣ってくれていたかもしれません。みなさん、どうもありがとう。