女性としてパスすること

こんにちはサクラです。

ホルモン療法を始めてしばらく経過すると、男性としての生活環境が危うくなってきます。かといって女性としての生活環境を築けるかというとそれも難しいことです。反対性としてほとんど誰からも疑われない状況に移行することを「パス」といいます。これは英語でもpassという動詞で通用するようです。

私の場合にはホルモン療法後2年経過したころから体の変化が顕著になりました。胸が大きくなったり体型も丸くなったりなどホルモン療法による影響の他に、自分で脱毛したり髪の毛を伸ばしたりとしているため男性として認められるグループに含まれにくくなったのです。男子トイレでじろじろ見られたりとなってくると「なんとかしなくては」と思い初めます。実際に望む性で生活することをリアル・ライフ・エクスペリエンス(RLE)というそうです。過去の自分の日記をみてみるとRLEについていろいろ考えながら実践しているのがわかりました。試行錯誤の連続でした。

性別は2分法ではありません。「男じゃない」と「女である」はイコールにはなりません。スムーズな移行をするためには戦略をねる必要があります。これは自分のためというより世の中に心配をかけないためでもあります。「自分はこうなんだ」という無理筋な主張をしたり完全な女性を求めるよりも、みんなが「これならまあ仕方ないか」くらいに納得できるように自分を表現するのがパスの本質だと思います。

女性のアドバイザーを持つ

女性の友人で客観的に意見を言ってくれる人は持ちたいものです。例えば女性の服装をして外で通用するかどうかは自分では判断できないものがあります。このようなときにOK、NGを出してくれる存在は必須とも言えるでしょう。

ときどき自分にとってものすごく辛いことも言ってくるかもしれません。しかし自分には気づくことのできない真実があるのではと考えよく吟味したいものです。

またメイクや生活全般についても彼女から学べるものは学んでおきましょう。

自分の体型と服についての知識を持つ

かわいいからといって自分の体型に合わない服を着るのはトランスジェンダーに限らずあまり好ましくありません。まず自分の体型を知ることです。体のすべてのサイズを測り、それに合う服があるかよく調べます。

私は子育ての一貫でミシンを使うことがあり、ついでに服作りの勉強もしました。これが今でも服選びに役立っています。どのブランドでも大体基本となる型紙があり、服作りの戦略もあるので自分に合う、合わないはあるものです。

また服に自分の体型をあわせることも考えられます。必要であれば痩せるというのもありかもしれません。

体験を重ねる

あとは習うより慣れろ、です。かなり冷や汗をかくこともあるかもしれませんが経験を重ねることです。変に女性を意識しての派手な服装やメイクは避けてなるべくナチュラルに地味にしておいたほうが最初はいいかもしれません。

初期段階ではタスクを決めましょう。買い物するとか、人に会うとかです。女子トイレに入れるかはアドバイザーの意見も聞いておきましょう。できれば一緒に来てもらいたいものです。

MtFの場合はパスに失敗すると性犯罪と結び付けられることもありますので厄介事は避けたほうが賢明です。

私はこのような試行錯誤をして日常的にパスする状態になるのに1年かかりました。この期間は外側に対する働きかけと並行して自分が反対性で振る舞うことに慣れるのに必要な期間とも言えるでしょう。

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