SRSから24ヶ月経過

Ça va ! サクラです。

SRSから2年が経過しました。

もう何度も書いていることですが、身体記憶というものは常に書き換えられるもので、昔の身体記憶を呼び起こすということは不可能に近いと思います。「私の陰茎」というものは、そもそも最初から存在せず、未来永劫存在し得ないもののように思われるのです。私にとってそれはすでにUMAとかUFOとかの仲間になっています。過去に存在していたのであれば写真を撮っておけばよかったかな、とふと思うこともありますが、単なる悪趣味でしかなく、まったくもって撮らなくて正解だったでしょう。

前に職場での性の取り扱いについて書きました。

職場での性の取り扱いについて

Covid-19騒ぎで内規の整備が遅れてしまい、7月1日にようやく職場で女性として認められることになりました。オフィスはビルの一階を専有していて、「だれでもトイレ」もないため、以前のわたしは男性トイレを使うしかありませんでした。ただ個室は一つしかありませんでした。自粛要請前には15人程度の男性が常勤だったため個室はかなり高い確率でふさがっていました。

通常の男性にとって小用であれば小便器を使えばいいのですから、個室が一つでそれほど困ることはないでしょう。しかし私は常に個室を必要とするわけですから、話は違います。そんなわけでしょっちゅう近くのコンビニや隣の雑居ビルのトイレを使うなどしていたわけです。大勢が参加する会議なんかは個室が空いている可能性が高いので狙い目です。会議中に中座してトイレに行くなんて言うこともありました。

しかしよく考えてみると、これは誠実な勤務態度とは言えません。やはり参加が要請されている会議であれば、中座などせず最後まで参加するべきです。トイレは会議の前後に済ませておくべきでしょう、それが可能であれば。こういったことが性の取り扱い変更を要請する根拠となっていったのです。

四半期の変わり目だったこともあり7月1日の社内広報の最後にこんなお知らせが掲載されました。

一人ひとりが他者の多様性を尊重し行動することが求められるようになってきた現状を鑑み、以下内規として運用を始めます。

「役員、従業員および派遣社員などが自認する性別が戸籍・住民票などの公的書類で確認できる性別と異なる場合、会社は医師による診断書・証明書などにより本人の自認する性を確認できた場合、本人の自認する性を認め取り扱うこととする。」

以前企画されていた一泊の研修旅行も当面延期となっているようですし、単にトイレの問題が片付いただけとも言えますが、私にとってはアームストロング船長の一歩なみに大きな一歩に思えます。というのも今までは自分の自認する性について、常に自分が社会に対して妥協し続けていたのですが、今回は社会のほうが私に妥協したことになるからです。まさに別の天体に足跡を残したと言えるでしょう。

SRSから2年目のを迎える私への贈り物としては十分すぎるサプライズだと思います。というのも2年前の自分、このブログを始めた頃の自分はこのことは期待してなかったのですから。

 

「SRSから24ヶ月経過」への3件の返信

  1. アマタ サクラさんは西洋古典学のような希少価値のある学問をなさっているようですので、ご職業のほうもフリーランスに近いものに就いておれらるのかと思いましたが、案外かっちりと人事管理されるオフィスにお勤めなのですね。お書きになっているようなトイレ事情のもとでオフィス勤めなさるのは、なかなか大変だろうなと、あらためて思いました。

    わたしは、「性別を変えられるなどというのは妄想ですよ」などと言いたがる人に向かって、いかに「切り返しの一撃」を加えるか、……というようなことに、少々こだわっております。

    • あけみさん

      お返事遅れてすみません。フリーでは働いていますが、現場はそれなりの会社である場合が多いのです。今の会社は3年目ですが、ここに来たときにはSRS前だったので、このようなトイレ事情について深く考えていませんでした。

      次の職場を決めるときにはこのことは考慮しないといけません。あるいは、登録を最初から女性にしてしまうというのもありだと思ってます。

      シスジェンダーが自分の性を自明のものとして説明責任を追わないのなら、トランスジェンダーも同じように振る舞ってよいと私は思っています。

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