ボンジュール、サクラです。
早いもので、SRSから3年経とうとしています。この3年間を簡単に振り返りたいと思います。
SRS前の自分がどのような気持ちでいたかを、正確に思い出すことはかなり難しいといえます。というのも、3年の間に自分の取り巻く状況が大きく変わり、過去の自分は物語に出てくる登場人物の一人のような別人物に思えているからです。
SRS前の私は男性として仕事をしていたので、女性としてまた娘の母親としての私生活と並行した二重生活を送っていました。今から考えるとかなり面倒なことをしていたものです。例えば片方での知り合いは、他方では会わないようにしていました。もし見かけたら気づかれないようにその場を立ち去ったものでした。女性のときはウィグを着用していたので、地毛とウィグとの二種類の管理をしていました。また男性器があるためプールや公衆浴場や薄着でのイベントも避けていました。子供と出かけるときは女性だったので、仕事帰りに子供と待ち合わせるということはまれでした。
こんなことを10年以上続けていたのですから、自分を褒めたいと思う一方で、もうこんなことはしたくないとも思います。いくら先を見通したつもりでもなかなかそこにたどり着けず、「こんなことをやっている自分に出口はあるのか?」となんども自分に問うて来たのでした。それでも帰還不能点(おそらくホルモン注射の開始の頃になるでしょう)を過ぎてしまってからは進み続けました。
このブログの過去記事を見ればわかることですが、SRS後のわたしは自分に課したこれらの制限を一つづつ取り除いていきました。現在では上記のすべての制限がなくなりました。来年の春には戸籍をようやく女性に変更できます。これを以て私の性移行は完了することになります。
さて、私の性移行は無事成功裡に終わろうとしています。これはたくさんの幸運があったことも確かですが、幸運頼みだけでは心許ないものです。以下、性移行を計画している方の参考になればと思います。
性移行を一つのプロジェクトと考えると、そのプロジェクトを適切に管理することが成功の要因になることでしょう。プロジェクトの管理とは、プロジェクトのゴールを決め、そこにたどり着くために必要な作業を洗い出し、適切な作業量に分割し、それぞれの作業同士の関連を見極め、作業の順序を決め、計画を立て、それを一つ一つ実行し、その進み具合を管理し、必要であれば作業内容を改訂していくことです。
みなさんも、引っ越しや受験や就職活動などをプロジェクトと考えると、この管理をした経験があると思います。もちろん勢いでやってしまうこともできるでしょうが、性移行についてはその期間はもっと長いものとなるのでプロジェクト管理は必要だと思うのです。私には15年近い期間が必要でした。
プロジェクト管理の手法の一つとしてWBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)というものがあります。興味ある方のために、以下リンクを付けておきます。
大事なのことは諦めず、コツコツと続けることです。