サクラです、こんにちは。
早いものでSRSの手術後6週間が経ちました。現在の状況をまとめておきます。
仕事は順調に続けています。座り仕事なので動きまわる必要がないという点ではよいのですが、長時間座っているのはまだ辛いです。股間の手術した面全体がまだ腫れているので、そこが座面に当たってしまうのが原因です。ただ、少しずつ腫れはひいているので前よりは楽になってきてはいます。
自転車は乗れないことはないのですが、やはり座って足を回転させる動作があるため長時間は辛いです。ギアを重くしてあまり足を回転させないように乗っています。
車の運転も座る活動なので、日常の買い物程度はできますが長距離のドライブには行く気がしません。
手術前は週末になるといろんなところに出かけていましたが、手術後は家で寝ていることが多いです。カフェに行っても長時間座っていることになるので、結局自分でコーヒーを淹れて家でゴロゴロしているのがよいということになってしまうのです。
前にも書きましたが、術後には股間になにもないことが、奇妙で新鮮な感覚でした。これは今でも感じますが手術直後のように脳が陰茎のある場所をスキャンしようとすることは全くなくなりました。脳の低レベルの機能としては陰茎なしの状態に適応したのだと思います。
40年以上股間にそれなりの重さで感度の高いものをぶら下げて生活していたという体験は、脳のかなりの部分をそれを前提とした状況にさせていたと思います。動物が事故かなにかで尻尾をなくしたら、多分こんな感じなのかとも思います。ただ陰茎は尻尾と違ってバランスをとるために使っていたわけではないので、尻尾なしの動物たちより困っていないと思いますが。
手術面の感覚は少し戻って来たような気がします。弱い痛みと痒みが邪魔しているものの、性感があります。普段の生活で時々感じる時があります。
男性器がないと足はきちんと閉じても不快感がないので、以前より足をしっかり閉じることが楽になりました。そのとき力をいれて足を閉じると性的快感があることに気づきました。これは手術前にはない感覚です、そもそも足を閉じるのが不快だったわけですから。
ネットで「女性の足組みオナニー」という言葉を見つけました。両足でクリトリスなど陰部を圧迫するため快感を得るのだといいます。わたしもSRSにより外性器のつくりが女性に近くなったので、実体験からこのような言葉や情報に辿り着けたのでした。
SRS前はホルモン治療による内分泌系の女性化を自分の性同一性の拠り所としていましたが、今は物理的肉体的な身体の仕組みを根拠とした同一性にシフトしているのだと思います。感覚が変化することは、天動説的な観点でみると世界の方が変化しているように感じます。
術後の肉体に対する捉え方の変化や感覚の変化は、精神的にも影響を及ぼしています。そして精神も変化していけば行動も変化することになるでしょう。
SRSについて「外性器のかたちが変わる」こととそれに関する「多少の日常的変化」と以前は捉えていましたが、もしかしたら私は過小評価をしていたかもしれません。このことについては引き続き書くことにしていきます。