SRSから30ヶ月経過

こんにちは、サクラです。

あまり更新できずに時間が経過してしまっていますが、SRSから30ヶ月経過後の近況についてお話しようと思います。

実際のところ更新がされなかったのも、私に対する性に関連したイベントがあまり発生せず、記事にできるようなことがなかったためでした。Covid-19感染症のために、外出したり人と会ったりする機会が減ったというのも原因の一つと思われますが、自分のあり方について疑いを持たなくなったことがより大きな原因といえます。

学校の課題で(ヘブライイズムにもクリスティアニズムにも批判的な)帝政ローマの歴史家タキトゥスの以下のラテン語の一文を訳していたときに、ふと気づいたことがあります。

Dum Assyrios penes Medosque et Persas Oriens fuit, despectissima pars servientium : postquam Macedones praepolluere, rex Antiochus demere superstitionem et mores Graecorum dare adnisus, quominus taeterrimam gentem in melius mutaret Parthico bello prohibitus est.

オリエントの地がアッシリア人、メディナ人そしてペルシア人の支配下にある間、(ユダヤ人は)奴隷たちの中でも一番蔑まれたものであった。マケドニア人がその支配を確立した後、王アンティオコスは彼らの迷信を取り去りギリシアの風習を導入しようと努力をしたものの、パルティアとの戦争のためにこの見下げ果てた民をより良きものにすることを阻まれたのだった。

文中の王アンティオコス、つまりセレウコス朝シリアのアンティオコス4世は今から2200年ほど前、支配下にあったユダヤ人のギリシア化(ヘレニズム文化への同化政策)を画策した人物です。これにもし彼が成功していたなら、ユダヤ教は途絶え、これを基盤として興るはずのキリスト教も現れるはずもなく、私たちが街で耳にするクリスマス音楽の数々も聞けなかったかもしれません。

歴史はあとから見ると必然的で確定された出来事の連続のように思えますが、その時々ではとてもデリケートな事件の偶発的な積み重ねのようにも見えます。例えばCovid-19の騒動も現在の私達の目には不確定に見え、将来に不安をいだき、突発的な事象に対して右往左往してしまいがちですが、遠い未来からこれを振り返るのであれば必然の連続に見えるのではないでしょうか?

私がSRSによって身体に変更を加えてから早くも30ヶ月が経ち、私はこれを現在進行中の事象というよりは歴史的に確定した事象と捉えるようになっています。アンティオコス4世がユダヤの同化政策に失敗したことも、キリスト教が興り世界を席巻したことも、私の外性器が女性の形をとったことも、すべて歴史的に確定されたことと私には思えるのです。

生物学的男性でありながら女性として生活する私に向けられた様々な疑念は、現在の私にとっては蒙昧な絵空事のように思えます。人々に自然と受け入れられているクリスマスに対して、アンティオコス4世がパルティアとの戦争にではなくユダヤ人対策に力を入れてさえいれば存在しなかった虚偽の風習だ、などと疑念を投げかける人がこの現代社会にどれだけいるのでしょうか?私に対する疑念もこれと同様のものに思えるわけです。

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