男性器のメリット・デメリット

サクラです、こんにちは。

ローマ神話の主神ユピテルとその妻ユノーはあるとき男女のどちらが性の喜びが大きいかで言い争いになったそうです。二柱ともお酒が入ってのことでした。仲裁のため彼らは両性を体験したことのあるテーバイの預言者テイレシアースに意見を求めました。彼は「女の喜びのほうが男のそれより強い」とした男神が正しいと裁定を下しました。

私は性の喜びについては意見するものではありませんがもっと日常的な場面で思うことがありました。男性器のある生活とない生活の違いについてです。

生殖活動を考慮しない場合の男性器の最大のメリットは機能的でスマートな排尿ができることだと思います。少しパンツを下ろすか、ジッパーをおろして陰茎を手早く取り出し、立った姿勢のまま排尿できます。終わったら紙で拭くことなく陰茎を振ることによって尿道に残った残尿を排出します。野外であった場合は、まあ手を洗うこともなく服装を整えて終了です。女子トイレが長い列を作っているときも男子トイレがファストパス状態にあるのはこのスマート排尿のためにほかなりません。

私はホルモン療法を始めてから、立位での排尿はほとんどしていませんでした。女性の自覚があれば可能な限り座ってしたいと思いましたし、ホルモンの影響もあってか陰茎を振っても残尿を全部排出することができず下着を濡らすようになっていたからです。座位で紙を使うほうが快適な生活が送れました。

とはいえ登山やハイキングが好きな私は女性は面倒だなと思っていました。屋外での活動において、トイレ以外で用をたすことは可能な限り避けました。このスマート排尿の機能を保持しているのは、緊急時を考えると安心な要素でもありました。

性別適合手術をするときに、この機能のメリットを利用していなかったものの、それを失うことは少し気がかりでした、まあ、他の要望がこれを圧倒するほど強かったわけで、手術を踏みとどまるほどの懸念点にはなりませんでした。

男性器がなくなって感じた大きなメリットは単純なことですがどのような姿勢を取るにせよ邪魔なものがなくなったことです。例えば足を組んだり、ソファに横向きに寝てビデオを見るときには足に挟まる男性器が気になるものです。この場合はちょっと姿勢を変えたり手で位置を整えたりします。男性器がついていることに慣れていればこの作業はほんの0.5秒ほどの短い、些細なものです。でもなくなって気づくのはこのような些細な作業を一日に何十回も行っていたことです。さらに言うと、無意識と意識の間のどこかで常に男性器が潰されたりしていないかを確認する小さい回路が働いていたと思います。睾丸は圧力がかかると鈍い痛みを伴いますので細心の注意を怠ることはできません、内臓が外に出ているようなものですから。男性器がなくなったことで私はこのマイクロマネジメントから開放されたのです。

電車で足を広げて座っている男性を見かけることがあります。あれは行儀が悪いのではなく、男性器も考慮した座り方をしているだけです。女性の場合股は両足の間の一つです。男性の場合、右足と男性器の間、男性器と左足の間の2つの股があります。女性は肩幅ほど間を開ければ股に空間を持てますが、男性の場合は足をかなり広げる必要があります。夏の暑いときに股が密着しているのは不快なものです。

なんだかとても下らないことを書いたような気がしてきました。でもテイレシアースに会えるのであれば、是非いろいろ意見を交わしたいと思いますし、神々の仲裁が必要とあれば一度オリンポスの山で自分の意見を披露したいと思っています。

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