ペニス 最後の戦い

こんにちは、サクラです。

SRSの当日までの一ヶ月間はホルモン投与を中止する必要があります。ホルモン療法はもともと血の塊を作りやすく、これがSRSの術後に寝たきりになっているとリスクとなるようです。このホルモン投与中止が思わぬ出来事を招きました。

手術説明書から抜粋します。

下肢深部静脈血栓症・肺梗塞:手術に伴う長期臥床のために生じる静脈血のうっ滞により血栓が下肢の深部静脈に発生することがあります。その血栓が術後にはがれ肺静脈に詰まる病気を肺梗塞と言います。ロングフライト症候群(エコノミークラス症候群)として知られています。手術中より両下肢にマッサージ器を装着したり、血液を固まらせにくくする薬(ヘパリン)を投与したりすることにより、血栓・肺梗塞の予防に努めています。万が一発病した場合には速やかに対処します。しかし重度の肺梗塞は救命できない場合もあります。

他に、喫煙、過度の飲酒も避けたほうがよいですし、加齢もリスクとなります。ホルモン投与の中止は、自分が男性に戻ってしまう恐怖から、あまり気が進みませんでしたが、命には代えられません。

ホルモン療法をしている時には男性器の性処理は、数ヶ月に一度くらいでよかったのでした。しかし、ホルモン投与を中止して二週間くらいすると夜や朝に陰茎が勃起するようになりました。

ちなみにホルモン治療開始後、1年もしない内に精子は作られなくなり、射精しようとしても空打ちのようになっていました。全体的にサイズは小さくなりましたが、硬さはあまり変わりませんでした。

その後10年以上経過しているので睾丸で精子を造ることはもうないのでしょうが、男性ホルモンは少なからず分泌されていたと思います。女性ホルモンの投与を中止すれば必然的に男性ホルモンが優位になり、勃起もしやすくなります。

不本意ではありますが、陰茎の勃起に対してはマスターベーションで鎮めました。勃起したままだとゆっくり寝れないですし、眠りも浅いのです。男性器に同一性を持たずに行うマスターベーションはあまり快感がありません。このため射精に達するのに時間がかかってしまうのもまた不快なことでした。

しかし、せっかく処理してもまた2日ほどすると再び勃起するのでした。私は自分の男性器が意外と機能していることを知り、驚きまた恐ろしく思いました。当然ながら再び鎮めます。

こんな戦いをSRS当日までに10回以上は続けたのでした。最後はなんだか良きライバルのような気持ちを自分の陰茎に持つようになりましたが、手術を受ければもう二度と会うことはありません。寂しくもありますが、私の進むべき道には陰茎の道連れは不要です。

違う時代、違う場所、違う状況で生まれていれば王国を築くことさえできたかもしれない私の陰茎は、こうして医療廃棄物として散っていったのでした。いまから考えると大事な二人の娘を授けてくれた男性器と最後に面と向き合い、触れ合えたのはよかったのかも知れません。

私の陰茎さん、そして睾丸さんたち。いままで本当にありがとう。安らかにお眠りください。

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