こんにちは、サクラです。
今月でSRSから60ヶ月、ちょうど5年が経過しました。近況をお話します。
この1年で起こった一番の出来事としては、戸籍の性別が変更されたことでしょう。これによって私の性別移行は完了したことになります。
トランスジェンダーは一般に「性同一性や性表現が、出生時に割り当てられた性別と一致しない人を指す包括的な用語である。」(Wikipediaより)とされていますが、最近の私はこのことにほとんど注意を向けることがありません。「かつての私にとってはトランスジェンダーであることは社会生活において重要であったが、今は無視できるほどささいものになっている」と言えます。transという言葉は「移行」を意味するため、移行を終えた今の私は「限りなくトランスジェンダーでない者」「限りなくシスジェンダーに近い者」になっています。
最近LGBT法と言われる法律が成立し、トランスジェンダーの扱いをどうするのかと言う議論がされていますが、私は距離を置くことしかできません。もちろん性別移行中のトランスジェンダーの方の扱いが改善されることは喜ばしいことである一方、女性として生活している私がトランスジェンダーという過去の自分を不必要に周囲に暴かれ生活を乱されることは喜ばしくありません。
例えばある国に帰化した人が、あたかもその国で生まれた人のように生活しているとします。そこに外国人の扱いを改善するための法律が半ば強制的に半ば過剰に作られたとしたらどうなるでしょうか。自分と同じような出自をもつ外国人の扱いの改善も望みたいところですが、今深い関係のある周囲の人々が持つ「自国民より外国人が過剰に優遇されること」に対する危機感も無視することはできません。
今の私にはトランスジェンダー・シスジェンダーという区別より、男性・女性という区別にまつわる話題が圧倒的に多いため、トランスジェンダーに対してというより女性に対して多くの共感を持ちます。LGBT法の議論が大きな混乱を招くことなく早く納得できるところに落ち着いてほしいと願っています。