性別判定と実生活

こんにちは、サクラです。

突然ですが、皆さんはどのように他人の性別を見分けていますか? いろいろ考えを口にすることはできるでしょうが、一番スッキリするのはこのように答えることではないでしょうか?

見ればわかる

私達は幼い頃からこの人は男、この人は女というように実物とその答えを教えてもらいながら学習しました。実体験を通して学んだことを言語化するのは難しいものです。

最近の人工知能はこのような実物と答えのセットを何万、何十万回学ぶことで正確な判定ができるようになります。一般に人工知能が学ぶことをmachine learning「機械学習」といいますが、この問題と答えの実例をもとに行う学習方法を特にsupervised learning「教師あり学習」といいます。人に対して人工知能はその中から判定に有意な特徴を数値として抽出します。これをfeature「特徴量」といい、例えば顔のや体の各部の比率、声の高さなどが考えられます。学習を進めるうちに正解を導きだすのに貢献する特徴量に対して重要度を高く、逆に貢献しないものに対しては低く調整し(あるいは無視し)、各判定結果を足し上げることによって正解率を高めていきます。

このモデルはperceptron「パーセプトロン」と呼ばれる簡単なもので人間の脳の中の仕組みを真似ています。学習の結果、各特徴量が性別判定にどのくらい貢献するかについて人工知能は正確な値を答えることができます。でもなぜそうなのかは「それが性別判定の正解にその程度だけ貢献するから」以外答えることができません。この人工知能も「みればわかる」状態になっていることがわかります。

私達トランスジェンダーが実生活で望む性に見られる方法はどうすればよいか考えてみましょう。人間も上の人工知能もYes&Noの矢印をたどるようなロジカルな判定しているわけではなく「みればわかる」で判断しています。これでは、どのように判定しているのかわかりません。自分がこうだと思った方法が裏目にでたり、意識せずに振る舞ったことが成功したりすることだってあります。つまり100%成功する方法は存在しないと言っていいでしょう。

いっそのこと私達も「教師あり学習」を参考にしてもいいかもしれません。望む性で暮らして何も問題ない日があれば、その日の生活スタイルの重要度を高く、なんだか身バレしたりなど問題のある日の生活スタイルの重要度は低くして、少しずつ生活スタイルを変えていきます。成功と失敗を通して快適な生活スタイルを学習していくのです。

「自分はこういう人間だから変えようがない」「これは運命だ」とは考えず、柔軟に価値観を変え生活スタイルを変えるように心がければ少しずつ暮らしやすくなることでしょう。すべての日が快適である必要はありません。快適でない日は快適な日を導くための学習の糧になるはずです。

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